USDJPYで、トラリピとループイフダンの違いを検証してみた。
期間は2015年6月の第2、3週。
あちこちのループイフダン信仰ブログでは、
手数料の安さでループイフダンの方が、3割〜5割有利と
宣伝しているけれど、実際のところはどうなのか?
本当に良いのなら、アイネット証券のループイフダンに乗り換えちゃうけど。
アイネット証券の方が手数料やスプレッドが安いのは事実なので、
トラリピをループイフダンと全く同じ設定で使ったとしたら、
当然、ループイフダンの方が有利に決まっている。
だけど。
トラリピの醍醐味は、強欲設定の決済フィーバーなので、それじゃ台無し。
それぞれの持ち味を残した上で、そこそこ近い設定で比較しないと
面白くないよね。
そこで。
比較するトラリピとループイフダンの仕掛けの設定
トラリピの設定は、0.05ステップで利確200円の強欲設定。
せま割り対象になるので、実際にはスプレッド込みで0.22円で決済される。
ちなみに利確が200円より多いと、通常通り、往復合わせて0.1円もスプレッドを取られる。
トラリピの手数料が高いのは、誰もが確定申告の時に実感することと思う。
それを差し引いても、強欲設定の魅力は充分にある訳で、
実際、僕のトラリピの仕掛けの利確は、全て500円以上にしている。
その方が、年間の利益は多くなるので。
話をループイフダンに戻して。
比較用に、B15_15 x3000とB25_25 x5000 の二種類を、実際に運用してみた。
まず、トラリピの利食い幅の0.22に一番近いのがB25_25。
だけどトラリピの方は強欲設定で約定機会が5倍強になるので、
バランスをとるため、B25_25の取引単位を5倍の5千とした。
そして、ループイフダンの一番の有望株B15_15は、
アイネットのHPにある最近1年の実績から
B25_25と大体同じくらいになるよう、こちらの取引単位は3千。
アイネットのHPを参考にすると、
この設定で、B15_15とB25_25の目安資金はどちらも200万円前後で、
見込み利益は 30万円前後という事。
さて。
この二週間の成果はと言うと。。。
決済回数勝負:トラリピ vs ループイフダン
まず、トラリピとB25_25。
決済回数は、トラリピの方が6倍多くて、大体予想通り。
次に、トラリピとB15_15。
決済回数は、B15_15の方が1.7倍多くて、これは意外な結果になった。
原因の一つは、ループイフダンには「重複有り」設定だと思う。
これは、決済に至らない位の狭いレンジ相場の時に、
既に同じ金額のポジションがあっても追加で発注するという物。
一方トラリピでは、想定よりも小さいレンジ相場では新規発注されない。(みたい)
もう一つ考えられる原因は、発注方式の違い。
トラリピが指値注文なのに対して、ループイフダンは成行注文という違いがある。
東京市場が窓を空けて始まった時、
トラリピは新規約定していない事が良くある。
トラリピのメンテナンス中の時間内の値動きにも、多分反応しない。
その結果、窓を空けた場合、同じ値段の新規ポジションが多数並ぶ事になるようだ。
ループイフダンの方は、アイネット証券のページに説明が見当らないけど、
どうやら窓を空けようが、予定していた発注全部を成行で実行するのだろうと思う。
利益勝負の項目の通り、
今回は結果的にループイフダンの方に有利に働いたけど、
大暴落だった場合には、証拠金不足になったり、
予定外に損失が増える可能性もあるので要注意だ。
利益勝負:トラリピ vs ループイフダン
まず、トラリピとB25_25。
条件を揃えたとは言え、仕組みの違いから若干トラリピ有利なはずだったけど。
2週間の利益は、B25_25の方が1割弱多い結果になった。
次に、トラリピとB15_15。
長期的には同等のはずだったけど、
この期間ではB15_15が、3割どころじゃなく、なんとトラリピの4.3倍の利益を出した。
実は、この2週間の間、
黒田総裁の口先介入があり、一気に2円も円高に振れることがあった。
決済回数が1.7倍も多かった事に加えて、
成行注文のスリッページがループイフダンに有利に働いた様に見える。
ループイフダンのスリッページは結構ひどくて、
日中の取引で0.15円の値幅で決済注文した結果、-0.3円で約定した場合も多々あった。
逆に+0.3円以上の利益が出ている場合もあるので、善し悪しではある。
今回の様に窓を開けて取引が始まる場合には、良い方向に働き易いと思われるので、
証拠金不足にだけ気をつけていれば良いかも知れない。
資金効率勝負:トラリピ vs ループイフダン
トラリピの方は発注条件が明確なので、それなりに正確な予想が出来るのだけれど、
ループイフダンはリスク管理や資金管理が難しい。
重複有り設定は、是非とも有効にしたいけれど、これも資金管理をややこしくする。
当然、含み損はトラリピよりも多めに出るハズで、直接比較は出来ないけれど、
トラリピの値幅0.15を基準に想像するよりもB15_15の含み損は多く感じた。
ループイフダンは、実際に持ったポジション分だけを必要証拠金とする。
トラリピは最初に、仕掛けを儲けた範囲の証拠金も必要とする。
なので、トラリピの方が見掛けの必要証拠金は多くなる。
でも、ループイフダンは、建玉の範囲が変化するので、
実際にどうなるのかは、市場次第であって、予め明確にすることは出来ない。
ほったらかし運用をしようと思ったら、少し多めに資金を入れておいた方が良いかも知れない。
まとめ:トラリピ vs ループイフダン
ほぼ同等設定なら、トラリピとループイフダンは大体同じ決済回数になる。
窓開け時には、成行発注のループイフダンの方が積極的に働く。
ループイフダンを「重複有り」設定にすると、レンジ相場で積極的に働く。
しかし、トラリピは強欲設定があるので、更に積極的な仕掛けが可能。
資金管理は、トラリピの方が正確にコントロールできる。
自分でリスク管理をしっかり正確にやって強欲設定を極めたい人には
やっぱりトラリピしかない。
この場合は、高い手数料は税金だと思って諦めよう。
それぞれの推奨設定で運用するなら
トラリピよりもループイフダンの方が、おまかせで良い結果を出しそう。
ただし、
お勧めできるのは、 USDJPYの B15_15 だけかも知れない。
ちなみに。
古いブログ記事を見ると
リピートイフダンの方がスワップが良い、と書いてある場合もあるけど、
今現在はトラリピの方が高いようだ。
ループイフダンでは豪ドルの狭い仕掛けが選べないので、
スワップも合わせて、トラリピの強欲設定の方が利益を出し易いと思う。