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くるくるワイドの検証 1:概念の理解

FX界で著名な「魚屋」さん開発の両建てFX手法
くるくるワイド」について検証してみた。

トラリピと組み合わせた、安全な両建ての方法を考えてみる。

くるくるワイドの特徴は、
本体の仕掛けと反対売買の細かなトラップを組み合わせること。

更に、固定ショートや複利運用を組み合わせて、
リスクを抑えつつ利益を確保する、結構ややこしい方法。

まず、本体を買いで入ることとして、どういう動作をするのか整理してみた。

レンジ相場の場合

本体の決済はなく、反対売買のトラップとスワップが損益になる。

ずっとレンジ相場なら、本体の存在意味はない。
いつか相場が上抜けか下抜けするまで、
トラップの利益を重ねつつ待つ。

多分、
これが主な利益になるんだと思う。

相場が上抜けした場合

通常なら、本体の決済で利益が出る。

でも、
その時には反対売買のトラップは含み損状態のはずなので、
まとめて決済した結果、本体の利益は相殺されてしまう。

本体とトラップのポジション量が同じなら。
決済時の利益は、本体だけの時の半分程度になってしまう。

逆を言えば、
期待に反してレンジ相場がすぐに終わってしまい、
反対売買のトラップが失敗に終ったとしても、
損害にはならない。

とも言える。

したがって、
決済を全部まとめた合計が、なるべく赤字にならないよう
出来れば利益を残すような仕掛けのバランスが望ましい。

せっかく相場が上抜けしたのに赤字で終わったのでは、
バカらしい。

かと言って、
本体の仕掛けの利益に期待するのであれば、
そもそも反対売買のトラップは邪魔なだけなので、
最初から不要だったと言うこと。

なら。
市場の上抜けで利益を得ようとはしないで、
主な利益になるべきトラップのポジション量を増やし、
本体の倍くらいとる考え方もある。

損益が相殺されるおかげで、
倍くらいまでは赤字にならない。

まぁ、利益があるに越したことは無いけど。。。

相場が下抜けした場合

これが問題。

反対売買のトラップが利益を積み重ねるが、
本体の仕掛けが含み損をかかえてしまう。

だからと言って、
本体を損切りしてしまっては、やはり意味がない。

それならば、
最初から予算の範囲内で、
反対売買のトラップだけ仕掛けていれば良い。
その方が効率的だ。

と言うことは、
下抜けした時の本体の損切りは有り得ない。

本体の仕掛けは、
何があってもロスカットされない量だけにする、
という事。

決済するのは、上抜けした時だけ!

資金を焦げつかせない範囲で、
下抜けした間の反対売買トラップを効果的に働かせるよう、
工夫するべき。

やり過ぎてトラップの数を増やし過ぎると、
いつか相場が反転した場合に、
ロスカットの危険が出てくる。

また、
相場が大きく下離れした場合に、
本体の仕掛けが大きな含み損をかかえたまま放置し、
反対売買のトラップの数を一定に保ったまま、
トラップを下値の方へとズラしていく考え方もある。

あまりに本体と離れてしまうと、
上抜けした時に、御互いを相殺して
損益0以上で全部決済することが出来なくなる。

この場合も、
いつか相場が反転して上抜けするまで、
じっと放置するしかない。

やはり資金に余裕をもっている必要がある。

下抜けした場合には、
資金に余裕を持つ以外に、
上抜けした場合の様なリスク対策はない
ということ。

ここは徹底した
自分自信のリスク管理が必要。

トラップが追従する範囲を損益分岐点から離れないとこまでに抑えるか、
トラップのポジション量を十分少なく抑える。

反対売買のトラップのポジション量は、
ここでも制限されることになる。

トラップのポジション量が少ないと、利益が出せない。
ここが矛盾。

最後は、資金力の問題だ!

あるいは、積極的に固定ショートをとって、
リスクを減らすか。。。

リスク管理のまとめ

ここまでの検証の通り、

相場が上抜けした場合には、リスク無しで全部決済し、やり直す事が出来る。

相場が下抜けした場合に、どこまで市場を追い掛けるべきか、追い掛けられるのか。
下抜けのリスクだけ考えれば良い。

その時のリスクと利益がどうなるのかが、最大の課題。

  • 資金 >> 最大費用 = 本体費用 + トラップ費用
  • 本体費用 = ((仕掛け開始価格) – (想定最安値) + 0.04 * (現在価格)) * 本体ポジション数
  • トラップ費用 = ((現在価格) – (平均価格) + 0.04 * (現在価格)) * トラップポジション数

もう一点。
重要で注意が必要な両建てのメリットとして、
ポジション数に対する証拠金が少なくて済む
というのがある。

買いと売りを比較して、
ポジション数の大きい方の証拠金で計算する証券会社が多い。

スワップが多い方が良いのか?少ない方が良いのか?

本体の仕掛けは
上抜け以外では決済しないので、長期間保持することになる。

という訳で、スワップがもらえる方向で仕掛けを作った方が得ではある。

ただ、
証券会社によっては、
マイナススワップがかなり大きいので注意は必要。

トラップのポジションを持ち越すことが少ない通貨なら、
スワップの多い方が良いので、
トラップ幅よりも十分値動きが激しくなるようにすると良いんだろう。

どの通貨に向いてそう?

当然ながら、
底値に近い通貨の方がリスクは少ない。
証拠金も少なくてすむ。

ただ、落ちる余地が少ないと、
ショートで利益を詰み上げる効率が悪い。

スワップがそんなに多くなくて下落余地があるのは。。。

ユーロ、ポンド、カナダドルあたりか。

「出口」とは?

今のところ、反対売買のトラップが失敗した時の保険の役割しか見出せていない。

出口に設定するのは、
単純に資金との兼ね合い。

もうちょっと考える事にする。

くるくるワイド、ここまでのまとめ

  • 本体の仕掛けと反対売買の細かなトラップを組み合わせる
  • 本体の仕掛けは、絶対にロスカットされない価格とポジション量の範囲を尊守するけ
  • 相場が上抜けしたら、損益分岐点の手前で全部決済する (やり直す)
  • 相場が下抜けした場合でも損切りせず、資金の範囲でトラップを追従させ続ける
  • 更に、確定利益の運用や、固定ショートなどの、積極的リスク管理を加える

ん?

これって

普通のトラリピに
反対方向の指値ポジションを加えるのと同じ?

含み損状態のまま塩漬けになりがちな、
トラリピの高値ポジションを相殺するのに使えそう。